令和7年度開催の本尊御開帳大法会記念事業として、江戸時代の絵師・三熊思孝(花顛)の桜の襖絵の修復事業を完了し、円空仏寺宝館にて常設一般公開を行っております。
これに併せて、館内のレイアウトや説明書きを一新して、円空仏をよりダイナミックに感じる空間に生まれ変わりました。円空を世に広めた立役者でもある思孝とのつながりも分かり、千光寺の歴史をつないで来た文化財と人物をじっくり味わえます。
京都出身で、桜を好んで描いたとされる思孝の桜の襖絵は、天明7年(1787)に描かれました。高山の文人・加藤甫簫らの招きで飛騨を訪れた彼は、商家や寺院に作品を残し、京都に戻る前に千光寺を訪れています。晩年の大判の作品としても、飛騨に残る同時代の襖絵の中でも貴重な存在として、県の文化財に指定されています。表面を覆っていたしーろの劣化や、本紙のシミや破れなどが目立ち、桜の間周辺の建物のゆがみの影響も大きくなってきたことから、この度、クラウドファンディングなどによって集まった支援をもとに修復が行われ、思孝の筆のタッチが良く分かり、素朴で写実的な見事な絵が蘇りました。桜の間には、デジタル処理で、汚れを取り除いた複製を制作し、日常使いの空間にも桜が咲き続けます。
<公開日> 令和7年10月25日(土)~11月30日(日)の期間の内、土・日・月・祝日
<時間> 9:30~16:30
<拝観料> 通常の寺宝館の拝観料にてご覧いただけます。
※令和8年度以降も常設展示として、公開される予定です。
※複製は庫裏・桜の間(庫裏の拝観に合わせてみることができます。



